新たな研究でくるみの摂取により精子の質が改善する可能性が示唆

2017/04/25 抗酸化リプロダクティブヘルス

くるみを摂取すると、男性の生殖能力にとって重要な“精子の質”が改善されるという可能性が、最近の研究で示唆されました。
一日当たり75グラム(約2.5オンス)のくるみを加えた食事を摂取することで、精子細胞の障害(脂質過酸化反応)が減少し、精子細胞の質を決定する主要要素である運動性(動き)や形態(正常な形状)が改善される可能性があることをデラウエア大学の研究者が発見しました(※1)。脂質過酸化反応による細胞の障害は、主に多価不飽和脂肪酸(PUFA)で構成される精子の膜に害を及ぼします。PUFAは体の細胞の成長、維持にとって重要な栄養素の供給源です。くるみは大部分がPUFAで構成された唯一のナッツで、くるみ1オンス(約28g)に含まれる総脂質18グラムのうち、13グラムをPUFAが占めています。

国際家族計画(Family Planning International)によると、現在世界中の夫婦の約10%が不妊であるといわれています。不妊の原因の25%を占めるとされる男性不妊症はますます重要な課題となっています。厚生労働省の直近の発表では、日本における合計特殊出生率は2015年では1.45と、2005年の1.26を底に緩やかな回復傾向にある一方、2016年の出生率(人口千対)は7.8と推計され2015年の確定値である8.0から減少傾向にあります。

「くるみを摂取することで精子の質が改善され、その要因が精子細胞の過酸化による損傷を減少することである可能性が発見できました」と研究を率いたデラウエア大学のPatricia A. Martin-DeLeon博士(PhD)は述べています。「くるみのどの成分が原因であるかを把握するにはさらに研究が必要ですが、この研究結果はくるみが精子の健康に役立つ可能性を示唆しています。」

この研究は既に発表されているカリフォルニア州立大学のWendie A. Robbins博士による研究結果の裏付けとなりました。Robbins博士の介入試験では、くるみを一日75グラム(約2.5オンス)摂取した群、くるみを摂取しなかった群と比較し、精子の活力、運動性、形態が改善したことが示されていました(※2)。
2012年に「生殖生物学(Biology of Reproduction)」で発表されたこの結果に着目したMartin-DeLeon博士は、くるみを加えた餌によって精子が改善されるメカニズムについて研究を始めました。健康な雄のマウスと遺伝子的に不妊(Pmca4-/-遺伝子欠失)であるマウスにくるみを加えた餌とくるみを含まない餌(対照群)を無作為に割り当て、9-11週間追跡調査を行いました。
くるみ入りの餌を与えたマウスのうち、生殖能力のあるマウスでは精子の運動性と形態に有意な改善があり、生殖能力のないマウスでは精子の形態に有意な改善がみられました。どちらのグループにも脂質過酸化反応の有意な減少がみられたものの、遺伝子欠失によって生殖能力を失っているマウスの精子の運動性におよぶ傷害を覆すことはできませんでした。

「この動物実験ではくるみがどのように精子の質を改善するかに焦点を当て、くるみにどのような効果をもたらすかを証明した臨床試験の結果を追跡しています。精子の質改善の要因に目を向けたこの研究は、今後の研究にとって大変価値があると思います」とRobbins博士は述べています。

カリフォルニア くるみ協会は25年以上にわたりくるみの健康効果についての研究をサポートしており、この研究に必要なくるみを提供しました。


■参考
(※1) Coffua LS, Martin-DeLeon PA. Effectiveness of a walnuts-enriched diet on murine sperm: involvement of reduced peroxidative damage. Heliyon. 2017;3(2).
(※2) カリフォルニア州立大学公衆衛生学科および看護学科Wendie A. Robbins博士(PhD, RN, FAAN)が率いた無作為化比較対象試験で男性の生殖能力におけるくるみの潜在的な役割を証明。
Robbins WA, Xun L, FitzGerald LZ, et al. Walnuts improve semen quality in men consuming a Western-style diet: randomized control dietary intervention trial. Biol Reprod. 2012;87(4):101.


■カリフォルニア くるみ協会(California Walnut Commission/CWC)とは
現在、カリフォルニアのくるみ産業界は4,000以上の生産者と90以上の加工・販売業者から成り、世界で取引されるくるみの2/3を生産しています。1987年に設立されたカリフォルニア くるみ協会は、生産者の課徴金と米国連邦農務省からの資金を得て、カリフォルニア州食品農業局(CDFA)の管轄のもとに各種調査・研究、輸出相手国で商品の販売を伴わない啓蒙活動を行う非営利団体です。
対日活動は1986年にスタートし、その主な役割はカリフォルニア産くるみの需要拡大を目的とする宣伝、PR、販売促進、調査などを企画実施することにあります。海外では日本のほか、韓国、中国、インド、ドイツ、スペイン、EU、トルコに代表事務所を置き、高品質なカリフォルニア産くるみを広めるための様々なマーケティング活動を展開しています。

カリフォルニアくるみに関する健康情報、レシピ、または産業界に関する情報は、 http://www.walnuts.org/ (英語)及び http://www.californiakurumi.jp/ (日本語)まで。

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