「JAMA(米国医師会雑誌)」に研究発表
くるみ入り地中海食が加齢性認知機能低下対策に

2015/06/09 認知症

PREDIMED研究のサブ試験において、447人を観察して認知機能の健康を経時的に評価したところ、くるみを半量含むミックスナッツを加えた地中海食を摂取した人は、記憶力に有意な改善を示しました。くるみに豊富に含まれるアルファリノレン酸とポリフェノール類がこの有益な効果をもたらしたと考えらます。

地中海食が2010年にユネスコ無形文化遺産に登録されてから3年後の2013年、これまでに実施された中で世界最大クラスの栄養学臨床試験であるPREDIMED:Prevención con Dieta Mediterránea(地中海食による疾患予防)試験において、オリーブオイルまたはくるみを半量含むミックスナッツを加えた地中海食により心血管リスクが有意に削減されることが確認されました。

そして5年後となる今年、PREDIMEDは新たに有望な結果を発表しました。今回は55~80歳の人において、くるみ入り地中海食より認知機能の改善が見られたことが焦点です。オスピタル・クリニック(スペイン、バルセロナ)内分泌・栄養サービス部脂質クリニック所長でPREDIMEDの栄養介入を統括するエミリオ・ロス博士はこう説明します。「このサブ試験を実施したのは、過去の疫学的研究で得られたエビデンスから、健康的な食事、とりわけナッツを頻繁に摂取する地中海食は、認知機能によい影響を与えてアルツハイマー病を予防することが可能だということが判明したものの、臨床試験が行われていなかったからです。今回のランダム化対照試験はその空白を埋めて、最高レベルの科学的エビデンスを示しています」

具体的には、心血管リスクが高いものの認知機能は良好な55~80歳のPREDIMED参加者447人を対象として、試験の開始時と終了時に神経心理学的検査を行いました。参加者を3つの食事群に無作為割付しました。2群は地中海式の食事で、一方にはエクストラバージンオリーブオイル、もう一方にはミックスナッツを加えました。第3群には低脂肪食を摂取させました。

追跡調査の終了時、くるみを半量含むミックスナッツ追加食群の人は対照食群の人と比べて記憶力が有意に改善したことが判明しました。また、軽度の認知機能障害が合計37例見つかりました。内訳は、オリーブオイル追加食群が17例(13.4%)、対照食群が12例(12.6%)、そしてナッツ追加食群はわずか8例(7.1%)です。

これらの結果から、くるみを含むナッツを加えた地中海食の摂取は加齢に伴う認知機能障害への対策になる可能性が示唆されます。地中海食による有益な効果は、ナッツ類のもたらす高い抗酸化・抗炎症作用による可能性が高いと考えられます。特にくるみは酸化を予防するポリフェノール類がきわめて豊富で、神経系の健康を改善することが知られています。また、くるみはオメガ3脂肪酸の豊富な唯一のナッツ類で、30グラム中にアルファリノレン酸(ALA)が2.5グラム含まれている点にも注目すべきです。

「地中海食のように健康的な食事パターンは、健康な加齢を促進します。そして食習慣を変更して健康を改善するのに手遅れということは決してありません。なぜならPREDIMEDの開始時、参加者の平均年齢は67歳だったのです。認知機能の健康状態が正常な高齢者において食事による効果が得られたことから、認知機能低下の症状が発現し始める前に介入を行うべきであることが強調されます」とロス博士は結論づけます。

世界人口の高齢化に伴い、先進国の平均寿命は延び続けています。そのため、アルツハイマー病や認知症といった記憶力に影響する病気が公衆衛生上の問題となってきました。世界保健機関によると、世界全体で年間およそ770万人の新規認知症患者が生じ、認知症にかかっている人は世界全体でおよそ4,750万人と推定されています。日本では、2012年において認知症高齢者の数は全国に約462万人と推計されています(厚生労働省)。

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