PREDIMED試験に関するファクトシート

2013/02/26 心疾患

PREDIMEDと地中海食:画期的研究

“PREDIMED”とは?

PREDIMEDとは、心血管系疾患の一次予防における地中海食の効果を調べることを目的とした画期的な研究の頭文字をとった略語です。並行群間比較、多施設、単純盲検、無作為化の臨床試験として、スペインの7地域で16の研究グループによっておこなわれました。PREDIMEDはPREvención con DIeta MEDiterránea(地中海食による疾患予防)の略で、臨床試験の完全な名称は「心血管系疾患の一次予防に対する地中海食の効果」です。研究は2003年に始まり、2011年に終了しました。

地中海食とは?

地中海食とは、地中海沿岸の国々に暮らす人たちの伝統的な食習慣と同じような食事パターンです。この食事スタイルでは、新鮮な野菜と果物、魚介類、全粒穀類、オリーブオイルやくるみなどのナッツ類に含まれる栄養価の高い脂肪が常食され、これらの食材が風味豊かなおいしい料理として供されます。地中海食は、味がすばらしいだけではありません。広範な研究によって、この食事スタイルに関連したさまざまな健康効果が示されています。

PREDIMEDの目的は?

PREDIMEDは、エクストラバージンオリーブオイル(1日50mL)またはナッツ類30g(くるみ15g、アーモンド7.5g、ヘーゼルナッツ7.5g)を加えた地中海食が、低脂肪食と比べて心血管系死亡、心筋梗塞(心臓発作)、脳卒中といった心血管系疾患を防ぐ効果があるか調べることを目的としておこなわれました。二次的調査項目として、原因を問わずすべての死亡、心不全、糖尿病、がん、認知症、その他の神経変性疾患の発生率についても地中海食による予防効果を調べました。血圧、空腹時血糖値、脂質値、炎症マーカーについても評価をおこないました。

被験者の条件と人数は?

試験には、心血管系疾患のリスクは高いが試験開始時に症状は見られない7,447人(年齢55~80歳)を対象としました。

追跡調査の期間は?

被験者は平均4.8年間にわたって追跡調査を受けました。

それぞれの食事の内容は?

指示された食事をきちんと続けられるように、被験者全員が食事のサポートを受け、3ヶ月ごとに教育セッションが開かれました。いずれの介入群に対しても、エネルギー摂取量は特に制限しませんでした。被験者は次の3群のいずれかに無作為に割り付けられました。

  1. ナッツ類30g(くるみ15g、アーモンド7.5g、ヘーゼルナッツ7.5 g)を加えた地中海食群
  2. エクストラバージンオリーブオイル(1日50mL)を加えた地中海食群
  3. 低脂肪食群(対照群)

試験の結果は?

くるみを中心としたナッツ類を加えた地中海食群では、低脂肪食に関する指導(米国心臓協会ガイドライン)をおこなった対照群と比べて、心血管系疾患(心筋梗塞、脳卒中、心血管系死亡)のリスクが30%抑制され、脳卒中に限るとリスクが49%抑制されました。また、エクストラバージンオリーブオイルを加えた地中海食群でも心血管系疾患のリスクが30%抑制されました。

試験の結果は、BMI(ボディ・マス・インデックス=体格指数)1、血圧2、インスリン抵抗性3、血中脂質4、脂質酸化5、全身性炎症6などのさまざまな中間結果に良好な効果が見られる点で、2種類の地中海食がすぐれていることを裏付けています。また、PREDIMEDの中でかなり大きな下位集団について重要な報告が2つ出されています。それは、ナッツ類を加えた地中海食群で1年間の追跡調査後にメタボリックシンドローム患者(糖尿病予備軍)の割合が減ったという報告7と、2種類の地中海食群で4年間の追跡調査後に糖尿病の発症率が下がったという報告8です。

詳しい情報を手に入れるには?

PREDIMED: predimed.onmedic.net/eng
California Walnuts: walnuts.org/health-professionals/published-research/predimed/
New England Journal of Medicine: nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1200303