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    新たな研究で、男性の精子の質に対するくるみの改善効果が判明

    2012/08/20

    米国カリフォルニア州フォルサム――(2012年8月20日)
    『バイオロジー・オブ・リプロダクション ペーパーズ・イン・プレスBiology of Reproduction’s Papers-in-Press 』サイト8月15日号に発表された研究において、21~35歳の健康な男性の集団が毎日75グラム(約2.5オンス)のくるみを摂取したところ、精子の活力、運動性、形態(正常な形状)が改善したことが報告されています。この結果は、受精不良や不妊に悩む全世界で7000万組のカップルにとって、とりわけ興味深いものです。実はこうしたケースの30~50パーセントは男性側に原因があるとされ、アメリカでは不妊に関して助けを求めている男性は330万~470万人ほどと推定されています。1

    今回の研究から、男性の生殖に関する健康においてくるみが重要な栄養源となる可能性が示唆されます。研究を率いたカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のウェンディー・ロビンス教授(Wendie Robbins, Ph.D.、登録栄養士、アメリカ看護学会フェロー)によると「くるみが精子に良好な影響をもたらしたという結果は、くるみのもつ独特な栄養組成によるものかもしれません」とのことです。くるみは、植物性オメガ3脂肪酸であるアルファリノレン酸(ALA)が豊富な唯一のナッツ類であり2、今回の研究ではくるみ由来のALAの摂取量が多いほうが、ダウン症候群などの遺伝的異常をもたらしうる細胞染色体数異常の発生頻度が低いという相関性が報告されています。

    くるみは ALAだけでなく抗酸化物質の含有量も多く、さらにさまざまな微量栄養素も含んでいるので、ロビンス博士はこれらが相乗的に作用するのではないかと考えています。共同研究者でUCLAの医学および看護学の准教授、キャサリン・カーペンター博士(Catherine Carpenter, Ph.D. 公衆衛生学修士)の考えでは「くるみの栄養組成を考えればこの結果は当然ですが、もっと高齢の男性を含めてあらゆる年代の男性や生殖障害に悩む男性に対するインパクトを考えるとすばらしい結果と言えます。」

    歴史を通じて、食品は人間の生殖の成功と結びつけられてきました。しかしたいていの場合、女性の食事が重視され、男性の食事はほとんど注目されませんでした。ロビンス博士によると、男性の食事が生殖に影響するだけでなく、生まれてくる子どもや将来世代の健康にも影響しうることが科学的研究で示唆されているそうです。この分野の研究について行われたあるレビューで、「食事はもはや女性だけの領域ではなく、男性の栄養状態が世代を越えて受け継がれ、将来世代の健康状態にも影響する可能性があるらしい」ことが示されたとロビンス博士は言います。3
    「健康な食生活と栄養摂取は、生殖にかかわる健康に不可欠です」と語るのは、登録栄養士で父親でもあるミルトン・ストークス(Milton Stokes)です。彼は今回の研究にもとづいて、子どもを望む男性クライアントに対し、健康な子どもに恵まれたければくるみを毎日の食生活に取り入れるようにとアドバイスするつもりでいます。

    心血管系の危険因子と内皮機能の改善におけるくるみの効果は、十分に実証されています。ロビンス博士の実験でくるみを摂取した若い男性たちは、血中脂質値の改善を示しました。このことは過去の研究の裏づけとなり、毎日の食生活にくるみを取り入れるべき新たな理由にもなります。

    今回の無作為化並行2群食事介入試験では、1日75グラムのくるみが精液の質に与える影響を調べました。ふだん西洋式の食事をとっている健康な若い男性117人が試験に参加しました。12週間にわたり、参加者の約半数に1日75グラムのくるみを摂取させ、残りの半数は比較対照群としました。12週間後、くるみ群は対照群と比べて、男性の生殖力の重要な要素である精子の活力、運動性、形態が改善していました。

    企業向け情報、健康に関する研究、レシピアイデアについてなど、詳しくは www.walnuts.org(英語)またはwww.californiakurumi.jp(日本語)をご覧ください。

    *カリフォルニア くるみ協会 (California Walnut Commission)
    1987年に創立されたくるみ協会(CWC)は、くるみ生産者による課徴金の担金で資金をまかなっています。カリフォルニア州の一機関として、カリフォルニア州食料農業省(CDFA)長官と協力して業務に当たっています。協会は主に健康に関する研究と輸出市場開拓にかかわる活動を行っています。