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くるみの健康効果

豊富に含まれる不飽和脂肪酸の他、タンパク質やビタミンB1、食物繊維、カルシウムといった栄養素がギュッと詰まっています。

くるみの効能についての研究

くるみほど栄養的に完全で体によい食品は珍しいと言ってよいでしょう。10数年以上前から著名な専門家らが基礎研究や臨床研究を行い、この栄養豊富な「スーパーフード」がさまざまなレベルで身体にもたらすプラスの効果を相次いで明らかにしています。その研究結果の一部をご紹介いたします。

くるみに含まれるメラトニンが癌や心疾患を防ぐ

メラトニンといえば、長時間のフライトのあとで眠りにつくために飲むものと思う人が多いのですが、メラトニンは癌などの病気と戦い、老化に伴う病気に影響を与え、人がより健康な生活を送ることもおそらく可能にしてくれる重要な物質でもあります。この仕組みについて科学者らは研究を進めています。テキサス大学健康科学センター・サンアントニオ校で行われ、Nutrition: The International Journal of Applied and Basic Nutritional Sciences誌2005年9月号に発表された研究で、くるみは天然のメラトニン供給源であることが証明されました。テキサス大学健康科学センター・サンアントニオ校の神経内分泌学教授、ラッセル・J・ライター博士(PhD)によれば、「くるみに含まれる成分は、発癌の抑制、パーキンソン病やアルツハイマー病などの老化による神経変性疾患の遅延または程度緩和、心血管疾患の程度抑制といった働きが期待される」とあります。ライター博士の研究で、くるみは体内に吸収されやすいメラトニンの有効な供給源であることが判明しました。また「くるみを摂取すると、メラトニンの血中濃度が3倍に上昇する」と博士は指摘しています。

多価不飽和脂肪の効果

2005年4月に米国農務省(USDA)が発表した個別型「マイピラミッド・プラン」の主要メッセージのひとつとして、健康的な脂肪を食事に取り入れることが挙げられています。新しい食事指針システムはシンボルを用いたインタラクティブなもので、農務省と保健福祉省(HHS)が2005年1月に発表した「2005年版 米国人のための食事指針」による勧告を説明するものとなっています。指針では消費者に対し、健康的な食生活を実現するために多価不飽和脂肪の摂取量を増やす(そして飽和脂肪とトランス脂肪を減らす)必要性を強調し、特にオメガ3脂肪酸などの必須脂肪酸の摂取量増加に重点を置いています。この点については、オメガ3脂肪酸の供給源が魚だけではないことを、さらに多くの人々に知らせる必要があります。

指針では、一日に摂取する脂肪由来熱量の大部分を不飽和脂肪由来とするよう提案し、くるみなどのオメガ3多価不飽和脂肪酸の植物性供給源を具体的に挙げています。この勧告は、米国心臓協会(AHA)、米国食品医薬品局(FDA)、全米科学アカデミーなどの権威ある他の機関が行っている勧告を改めて裏付けるものとなります。

「健康的な脂肪が癌などの慢性疾患の予防に役立つことが新しい食事指針で認められたというのは、重要で前向きな進歩であり、海洋性脂肪に代わる有益なものとして、くるみは至適な健康状態に不可欠なアルファリノレン酸(植物系オメガ3脂肪酸)のきわめてすぐれた供給源となる」と、米国癌研究所の上級科学アドバイザーのリトバ・バトラム博士(PhD)は語っています。

アンダーソン・モリス医学博士(米国心臓学会会員、ヘルスサウス心臓大学メディカルディレクター)は「適切な食事を摂れば、薬だけに頼る場合と比べて心臓病発生リスクがさらに抑制できると私は確信している。くるみは抗酸化物質、ビタミン類、繊維質、オメガ3脂肪酸のすぐれた供給源である。だからこそ私は患者さんに、心臓にとってくるみを食べるのは車を運転するときにシートベルトを締めるのと同じようなことと言うのだ」と述べています。

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2型糖尿病抑制効果

オーストラリアで最近行われた研究により、2型糖尿病患者が毎日ひとつかみのくるみを食べると、心臓を守るのに重要な多価不飽和脂肪酸(オメガ3など)の推奨摂取量を達成するのに役立つということが判明しました。この研究結果はJournal of the American Dietetic Association(JADA)2005年7月号に発表されています。

国際糖尿病センターで栄養保健専門教育ディレクターを務めたことのあるマリオン・J・フランツ(理学修士、登録栄養士、公認栄養士、認定糖尿病指導者)は、この研究について「2型糖尿病患者にとって、適正な種類の脂肪をバランスよく摂るのは重要だが難しい。くるみを取り入れることで栄養目標の達成が容易になったということは、糖尿病患者および栄養勧告を出す臨床家や糖尿病指導者にとって有益で役立つ情報だ」とコメントしました。

以上の研究結果は、米国糖尿病協会(ADA)の雑誌DiabetesCareの2004年12月号に発表された研究から発展したものです。この研究では、2型糖尿病患者がくるみを含むホールフード食を摂るとLDL(悪玉)コレステロールを10パーセントも減少させられることを示しています。

筆頭研究者のリンダ・タプセル博士(PhD、認定実践栄養士、オーストラリアのウーロンゴン大学にある国立機能性食品センターオブエクセレンス所長)は「今回の試験は、多価不飽和脂肪酸が糖尿病管理に与える影響を調べた早期の試験のひとつである。くるみを利用すれば、オメガ3多価不飽和脂肪酸を簡単かつ手軽に食事に取り入れることができる。くるみは特に糖尿病患者にとって重要である。なぜならくるみは糖尿病患者の食事管理に不可欠な要素である間食に利用できる手軽な食品だからである」と言っています。

タプセル博士によれば、くるみを含む食事は初期の2型糖尿病と関連して生じるインスリン抵抗性(血流中からヒト細胞内へのブドウ糖吸収が阻害される)の問題に体が対処するのを助けることができる、ということです。

これらの知見は重要です。米国糖尿病協会によれば、糖尿病患者の65パーセント以上が心疾患か脳卒中で死亡しています。米国では人口の6.3パーセントに当たる1,820万人が糖尿病に罹患しており、そのほとんどは2型糖尿病です。世界保健機関(WHO)の報告によれば、世界全体で糖尿病患者は1億7,100万人を超えており、この数は2030年までに2倍になると見込まれています。

心疾患リスクを抑制

くるみが心疾患リスクの抑制に重大な役割を果たすことを示す研究は増え続けています。心臓に対するくるみの効果としては、コレステロール低下、炎症抑制、動脈機能改善などがあります。

ペンシルベニア州立大学の著名な栄養学教授でこの研究の筆頭研究者であるペニー・クリス=エサートン博士(PhD)は「我々の研究で新たに得られた重要な知見は、くるみを多く取り入れた食事は冠動脈性心疾患の複数のリスク因子に有益に作用するので、心臓血管系のリスク抑制において単独のリスク因子を対象とするより大きな効果をもたらす可能性があるということである」と述べています。

オメガ3脂肪酸を摂ろうとする場合、サケなどの魚に目を向ける人が多いですが、クリス=エサートン博士は次のように述べています。「くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は海洋性供給源のオメガ3脂肪酸と同じものに変換され、炎症に対して同様の効果を示した。炎症を抑制すれば、動脈硬化の進行、すなわち動脈内のプラークの形成と蓄積が抑制できる」。

2004年3月にバルセロナ大学で行われた臨床試験では、地中海食の一価不飽和脂肪をくるみで代替すると内皮機能(血液要求量が増加したとき要求を満たすために動脈が弛緩する弾性特性)が改善もしくは回復することが判明しました。この研究では、アテローム性動脈硬化症(一般に「動脈硬化」と呼ばれる)との関連が認められている細胞接着分子がくるみにより抑制されることも判明しています。この二重の効果により、循環系の機能が向上し、心疾患予防につながるのです。研究者らによれば、心臓血管系に対するそのような効果を示すホールフードはくるみが初めてということです。この研究はCirculation: Journal of the American Heart Association(2004年3-4月号)に発表されています。

脳卒中にも絶大な抑制効果が

アルファリノレン(α-リノレン)酸食が血管機能を改善させることを示したペンシルベニア州立大学の研究が、サンフランシスコで開催された米国心臓協会の第5回アテローム動脈硬化症、血栓症、血管生物学に関する年次会議(2004年5月)で報告されました。筆頭著者のシーラ・G・ウェスト博士(PhD)は「我々の得た研究結果から、くるみに含まれる特殊な脂肪酸が動脈の機能を改善し、弛緩も良好になるということが示唆される」と話しています。また、1995年にStrokeに発表されたサンフランシスコ大学の研究では、オメガ3により脳卒中の発生率が低下することが判明しています。

日本人の食生活とのコラボレートで健康効果アップ

カリフォルニアのローマリンダ大学が1993年に臨床試験を行い、くるみを取り入れた食事管理を行った場合、当時米国心臓協会が推奨していた「ステップワン食」と比べて「悪玉」のLDLコレステロールと心疾患リスクが有意に抑制されたことを初めて明らかにしました。ピアレビュー付の研究レビュー、専門文書の作成、科学会議の運営を行う非営利独立組織のライフサイエンス研究所(LSRO)が2002年にレビューを行った5件のくるみに関する研究でもこの知見が確認され、くるみ食のほうが健康的な地中海食より効果が高いことも証明されました。また2002年に発表された九州大学の臨床試験は、健康的なアジア式の食事にくるみを加えるとさらに健康効果が高くなることを示しています。

抗酸化物質:病気と闘う最前線

2004年6月、農務省の行った食品由来抗酸化物質に関する研究で、くるみには抗酸化物質が高濃度に含まれることが判明したと報告されました。抗酸化物質は、癌や心疾患、糖尿病などの生命にかかわる疾患や、関節炎、骨粗鬆症、アルツハイマー病などの身体機能を低下させる疾患の予防を助けます。抗酸化物質のレベルを測定する方法には活性酸素吸収能(ORAC)や血漿鉄還元能(FRAP)などがありますが、いずれの方法でもくるみは上位にランクされています。

前立腺癌や肺癌と戦うガンマトコフェロール(ビタミンE)

Proceedings of the National Academy of Sciences(2004年12月号)に発表されたパーデュ大学の研究によれば、くるみなど一部の植物の種子に含まれる形のビタミンEは前立腺や肺の癌細胞の増殖を休止させる可能性があると示しています。

「くるみにはガンマトコフェロール型ビタミンEが大量に含まれる」と、ペンシルベニア州立大学栄養学助教授のテリー・ハートマン博士(PhD)は語っています。「ビタミンEの主要な型であるガンマトコフェロールとアルファトコフェロールの相互作用についてイーストテネシー州立大学で行われた研究で、ガンマトコフェロールがアルファトコフェロールの細胞吸収を促進させることが判明していることを踏まえると、これは非常に興味深いことである」(ガオら、Nutrition Journal, 1:2, October 2002)との記述もあります。

くるみと体重管理

オーストラリアで行われた最新の研究で、健康効果を得るためにくるみを食べても体重増加という代償は不要であることが改めて確認されました。くるみに関する多数の研究で食事中の他の脂肪をくるみで代替した場合、被験者の体重が増加しなかったことに研究者らは着目しています。くるみのほうが被験者から報告される満足度が高く、食事法を守るのが簡単だと言う被験者も多数いました。2001年10月にInternational Journal of Obesityに発表されたマクマナスらの研究でも同じ反応が観察されています。この研究では、脂肪の量を中等度とした体重減量食(ピーナッツやくるみなどのナッツ類を含む)を摂取する人は減量効果が改善し、従来推奨されてきた低脂肪食を摂取する人と比べて減量効果の持続期間も長くなると結論されました。

食品医薬品局はくるみのヘルスクレーム(健康強調表示)を許可

2004年3月、食品医薬品局は政府としてこれまでで最も強力にくるみを支持する内容の画期的決定を下しました。そこでは「研究によれば、低飽和脂肪・低コレステロール食の一部として1日1.5オンス(約42g)のくるみを摂取し、摂取熱量を増加させなければ、冠動脈性心疾患のリスクが抑制できるということが裏付けられるが、断定はできない。脂肪含有量については栄養情報参照」と明言されています。この食品医薬品局の決定は、心臓の健康によい食事の一環としてくるみを摂取した場合の効果を証明する世界各国の科学的研究を強調したカリフォルニアくるみ協会の請願に応えたものでした。集積したエビデンスによると、こうした心臓の健康効果をもたらすのはくるみの栄養組成であることが示唆されます。

コレステロール値を最適に保つ

この数十年間、米国では飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を不健康なほど大量に含む加工食品の摂取量が増え、食事に大きな変化が生じています。その結果、必須脂肪酸(EFA)の健康的なバランスが損なわれているといわれています。至適な健康状態のためには、2グループの必須脂肪酸(n-6系=オメガ6脂肪酸とn-3系=オメガ3脂肪酸)の比率が4 : 1 を超えないようにするのが理想的ですが、米国人の平均摂取比率は20:1を超える危険な数値となっています。遺伝学・栄養学・保健センター所長で『オメガダイエット』の著者でもあるアルテミス・P・シモポロス医学博士は「くるみはn-6 系脂肪酸とn-3系脂肪酸の比率が4 : 1 という、完璧にバランスのとれたユニークな食品である。4 : 1 という比率は、突然死のリスクを抑制することがリヨン心臓試験で明らかにされている」と言っています。シモポロス博士によれば、n-3系脂肪酸は血中LDL(悪玉)コレステロール値を低下させ、HDL(善玉)コレステロール値を維持または上昇させる、ということです。

n-3系脂肪酸は、血圧、動脈炎症、血小板粘着を抑制し、血小板の凝集とプラーク形成を発生しにくくします。プラーク形成は、プラークの蓄積、動脈の破裂や塞栓につながるおそれがあります。必須脂肪酸、中でもn-3 系脂肪酸には、不整脈や心停止を抑制する働きがあります。たとえば2002年6月に発表された米国医師健康調査(ハーバード大学)は、2万1,454人の男性を平均17 年間追跡し、ナッツ類の食事摂取が突発性心臓死リスクの有意な抑制と関連することを示しました。1994 年にLancet に発表されたリヨン心臓試験では、血中に健康的な必須脂肪酸が存在すれば血栓や炎症が抑制され、動脈閉塞や突発性心臓発作のリスクが70 %低下することが判明しています。

n-3系脂肪酸が臨床的抑鬱の発症予防に有効であることを示す研究もあります。BiologicalPsychiatry(2005 年2 月)に発表された研究で、ハーバード大学付属マクリーン病院の研究チームはn-3系脂肪酸が「抗鬱剤と同様の効果がある」ことを確認しました。

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年代順概要

●食品医薬品局ヘルスクレーム

発表:2004年3月31日
機関:米国食品医薬品局(FDA)
説明:「研究によれば、低飽和脂肪・低コレステロール食の一部として1日1.5オンスのくるみを摂取し、摂取熱量を増加させなければ、冠動脈性心疾患のリスクが抑制できるということが裏付けられるが、断定はできない。脂肪[および熱量]含有量については栄養情報参照」 。

●食事勧告および指針

発表:2005年4月20日
機関:米国保健福祉省、米国農務省
説明:1992年に導入された食事指針ピラミッドに代わる「マイピラミッド・プラン」は、食事と生活習慣の改善に向けて従来より各個人に合わせたアプローチの必要性を強調する全般的食事指針システムの一環である。
勧告:健康な食事に魚、ナッツ類、種子類を取り入れることが重要である理由を述べたセクションで、「一部のナッツ類および種子類(アマニ、くるみ)は、必須脂肪酸のすばらしい供給源である」としている。この脂肪酸というのは、実はオメガ3脂肪酸である。

発表:2005年1月12日
機関:米国保健福祉省、米国農務省
説明:「米国人のための食事指針」は、食事と運動による健康促進と主要慢性疾患のリスク抑制に関して科学に基づく助言を提供する。
勧告:「脂肪」の項に「総脂肪は熱量の20〜35パーセントにすべきという勧告を実践するために、食事性脂肪の大部分を多価不飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸に由来するものとすべきである。[略]植物性のオメガ3多価不飽和脂肪酸(αリノレン酸)供給源としては、大豆油、キャノーラ油、くるみ、アマニなどがある」の記述。

発表:2003年7月10日
機関:米国食品医薬品局
タイトル:「よりよい栄養のための消費者保健情報イニシアチブ作業部会による報告と勧告」
説明:「食品と栄養補助食品について栄養面で健康的な選択をするのに必要な情報を米国人に提供するために継続中のイニシアチブの一環として、食品医薬品局(FDA)は本日、食品や栄養補助食品が健康に与える影響について消費者が科学に基づく正確な最新情報を得るのを助けるためのイニシアチブを発表した」。
勧告:報告書では、食品医薬品局がより質の高い栄養情報と健康に関するメッセージを消費者に提供するために重点的に力を入れたいと考える主要領域が強調されている。その中には、オメガ3脂肪酸の豊富な食品の摂取による効果と、食事の中で他の脂肪源をくるみで代替することによる効果が含まれる。

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近年の研究成果より

発表:2002年11月、クリス=エサートンら、Circulation: Jrnl of the American Heart Assoc., 106:2747
研究機関:米国心臓協会(AHA)栄養委員会
タイトル:「魚の摂取、魚油、オメガ3脂肪酸と心臓血管系疾患」
説明:疫学研究と無作為化対照試験で得られたエビデンスのレビューに基づく科学的声明。緒言で「最初の米国心臓協会科学諮問委員会の『魚の摂取、魚油、脂質、冠動脈性心疾患』* 以来、健常人だけでなく心臓血管系疾患(CVD)が先在する患者のCVDに対してオメガ3(orn-3)脂肪酸がもたらす有益な効果について、無作為化対照試験(RCT)によるエビデンスを含む新しい重要な知見が報告されている。オメガ3脂肪酸が心機能(抗不整脈作用を含む)、血行動態(心臓の力学)、動脈内皮機能に作用する方法に関する新たな情報は、潜在的作用機序を解明するのに役立っている」と述べている。
勧告:報告書の要約の中で、「これらのデータをまとめると、1週間に2サービング以上の魚(特に脂肪の多い魚)を取り入れるべきとする米国心臓協会食事指針の勧告を支持するものとなる。また、一般人の健康的な食事にアルファリノレン酸の豊富な植物油(大豆、キャノーラ、くるみ、アマニなど)や食品(くるみ、アマニなど)を取り入れることも支持する」と記している。
*ストーンNJ「魚の摂取、魚油、脂質、冠動脈性心疾患」Circulation. 1996; 94: 2337-2340

発表:2002年9月
研究機関:全米科学アカデミー(NAS)全米アカデミー医学研究所(IOM)食品栄養委員会(FNB)
タイトル:「熱量、炭水化物、繊維、脂肪、タンパク質、アミノ酸(多量栄養素)の標準食事摂取量」
説明:多量栄養素に関する委員会、栄養素の標準上限値と標準食事摂取量の解釈および利用に関する小委員会、標準食事摂取量の科学的評価に関する常設委員会による報告書。
勧告:2年以上にわたる研究により全米科学アカデミーが発表した報告書は、新しい標準食事摂取量(DRI)を検討している。多価不飽和脂肪とリノレン酸の標準食事摂取量について、報告書では「アルファリノレン脂肪酸(オメガ3脂肪酸の一種)とリノレン酸(オメガ6脂肪酸の一種)と呼ばれる2種の多価不飽和脂肪酸は体内で生成されないので、食品から摂取する必要がある」と述べている。アルファリノレン酸の推奨一日摂取量は男性1.6グラム、女性1.1グラムである。
(注:くるみ1オンスには2.5グラムのアルファリノレン酸が含まれている)

●臨床試験、声明、報告、知見

発表:2005年9月、ライターら、Nutrition: The International Journal of Applied and Basic Nutritional Sciences, 21 (2005) 920-924
研究機関:テキサス大学健康科学センター・サンアントニオ校
試験タイトル:「くるみに含まれるメラトニン:血中のメラトニン量と総抗酸化能に対する影響」
試験の説明:くるみからメラトニンを抽出し、高速液体クロマトグラフィで定量化した。ラットにくるみを摂取させてから、血清中のメラトニン濃度を測定した。
結果:くるみを摂取したラットの血中メラトニン濃度は、コントロール食を摂取したラットより高かった。くるみはメラトニンを含み、くるみを摂取するとインドールアミンの血中濃度が上昇し、心臓血管系の損傷と癌の発生および増殖に対する保護作用を示す値に達すると結論される。

発表:2005年7月、ギレンら、Journal of the American Dietetic Association, Volume 105, Number 7
研究機関:ウーロンゴン大学スマートフーズセンター国立機能性食品センターオブエクセレンス(オーストラリア)
試験タイトル:「2型糖尿病患者において、くるみを取り入れた体系的な食事勧告は脂肪と熱量の至適バランスを実現する」
被験者:2型糖尿病を有する自由生活条件下の男女55名
試験の説明:平行対照試験。参加者を低脂肪(全般的勧告)、修飾低脂肪(多価不飽和脂肪酸の豊富な食品を区別する交換表を用いた全面的食事勧告)、くるみ指定(1日30グラム〔8〜10粒に相当〕のくるみを取り入れた修飾低脂肪)の3群に無作為割付した。
結果:脂肪酸摂取量目標をすべて達成できたのはくるみ群だけで、目標達成者の割合もくるみ群が最も高かった。「2型糖尿病患者において、食事全体を踏まえたうえでくるみを定期的に取り入れるための具体的勧告は、至適な脂肪摂取比率の達成に役立ち、脂肪や熱量の総摂取量に有害な影響を与えることはない」と結論される。

発表:2004年12月、タプセルら、Diabetes Care, Volume 27, Number 12
研究機関:ウーロンゴン大学国立機能性食品センターオブエクセレンス(オーストラリア)
試験タイトル:「2型糖尿病患者において低脂肪/脂肪修飾食にくるみを取り入れるとHDLコレステロール対総コレステロールの比率が改善する」
被験者:1年以上前から2型糖尿病と診断され全般的に健康な年齢35〜75歳の男女58名
試験の説明:熱量の30パーセントを脂肪由来とし、低脂肪、修飾低脂肪、くるみ1日30グラム(8〜10粒に相当)を含む修飾低脂肪の3つの食事指導群を比較する平行無作為化対照試験。
結果:「くるみ群は他の2群と比べてHDLコレステロール対総コレステロールの比率とHDLの増加が有意に大きかった。くるみ群ではLDLコレステロールも10パーセント減少した」。結論として「かなりの量の多価不飽和脂肪酸を供給する1日30グラムのくるみを含む体系的な『食事全体』に関する助言により、2型糖尿病患者の脂質プロフィールが改善した」。

発表:2004年12月、チャンら、Proceedings of the National Academy of Sciences, Volume 101, Number 51
研究機関:パーデュ大学
試験タイトル:「ガンマトコフェロールまたは型の異なるビタミンEの併用は、スフィンゴ脂質合成阻害によりヒト前立腺癌細胞の細胞死を誘発する」
試験の説明:前立腺上皮細胞を正常対照として、前立腺癌細胞と肺癌細胞におけるガンマトコフェロールおよびガンマトコフェロールと型の異なるビタミンEの併用による増殖抑制・細胞死促進作用を調べた。
結果:ビタミンEの存在下では、細胞膜の重要成分であるスフィンゴ脂質という脂肪分子の合成が阻害される。しかしガンマトコフェロールは、健常なヒトの前立腺細胞には作用しない。チャンによれば、「ガンマトコフェロールが実験室で増殖させたヒト癌細胞に対しては細胞死を誘発するが健常細胞には作用しないことを示したのは今回が初めてである」。

発表: 2004年11月、チャオら、Journal of Nutrition, 0022-3166/04
研究機関:ペンシルベニア州立大学
試験タイトル:「食事性アルファリノレン酸は高コレステロール血症の男女における炎症性・脂質心臓血管系危険因子を抑制する」
被験者:中等度の高コレステロール血症を有する男性20名(年齢36〜60歳)と女性3名(年齢55〜65歳)
試験の説明:食事3種、3期間を用いた無作為化対照クロスオーバー試験。飽和脂肪とコレステロールが低く多価不飽和脂肪酸が高い食事について、アルファリノレン酸の高い食事(ALA食)とリノレン酸の高い食事(LA食)の2種を平均的な米国人の食事(AAD)と比較した。多価不飽和脂肪酸の高い2種の食事では、総脂肪の半分をくるみとくるみ油に由来するものとした。これはくるみやくるみ油が多価不飽和脂肪酸、特にアルファリノレン酸を豊富に含むからである(くるみ100グラム中、リノレン酸38グラム、アルファリノレン酸9グラム。くるみ油100グラム中、リノレン酸53グラム、アルファリノレン酸10グラム)。ALA食では小さじ1杯のアマニ油を使用した。
結果:平均的な米国人の食事と比べて、くるみを取り入れたLA食とALA食では総コレステロールが11パーセント、LDLが11〜12パーセント、トリグリセリドが18パーセント低下した。この食事を6週間続けたところ、LA食とALA食の両方でC反応性タンパクが低下したが、特にALA食の低下幅が大きかった。「結論として、多価不飽和脂肪酸、特にアルファリノレン酸の豊富な食事は、脂質とリポタンパクの濃度を低下させて血管の抗炎症作用を生じさせることで心保護作用をもたらす。複数の心臓血管系疾患リスクに対してアルファリノレン酸が著明で有益な効果をもたらすということから、心臓血管系疾患リスク抑制に対して潜在的に重要な役割を果たす可能性がさらに強調される」。

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発表:オンライン2004年3月22日、出版2004年4月6日、ロスら、Circulation: Journal of the American Heart Assoc.
研究機関:バルセロナ・ホスピタルクリニック
試験タイトル:「くるみ食は高コレステロール血症患者の内皮機能を改善する:無作為化クロスオーバー試験」
被験者:高コレステロールの男女21名(年齢25〜75歳)
試験の説明:8週間無作為化クロスオーバー試験。コレステロールを低下させる地中海食と、熱量と脂肪量はこれと同等で一価不飽和脂肪由来熱量の約32パーセントを被験者の総摂取熱量に応じて1日約1.4〜2.3オンス(40〜65グラム、8〜13粒に相当)のくるみで代替した食事。参加者はそれぞれの食事を4週間続けた。
結果:地中海食と比べて、くるみ食では内皮依存性血管拡張が64パーセント増強し、血管細胞接着分子-1の濃度が20パーセント低下した。先行試験と同様、くるみ食では総コレステロールとLDLコレステロールが低下した。これらの結果から、健康的な食事にくるみを取り入れるべきとする見解がさらに裏付けられると結論。
(くるみは植物系オメガ3脂肪酸の一種であるアルファリノレン酸(ALA)が豊富な点が他のどのナッツ類とも異なり、この特徴により抗アテローム発生性が増強される可能性があると研究者は指摘している。また、くるみにはアミノ酸のL-アラギニンとビタミンE由来のガンマトコフェロールも大量に含まれ、有害な血管閉塞を予防するのに有効であると記されている。)

発表: 2002年11月、ジャンら、Journal of the American Medical Association, 288:20
研究機関:ハーバード大学公衆衛生学部
試験タイトル:「女性におけるナッツおよびピーナッツバターの摂取と2型糖尿病リスク」
被験者:「看護師健康調査」に参加した11州の女性83,818名。年齢34〜59歳。糖尿病、心臓血管系疾患、癌の既往なし。
試験の説明:プロスペクティブなコホート試験。被験者は1980年の試験開始時に妥当性の確認された食事質問票に記入し、最長16年間にわたり追跡調査を行った。
結果:「ナッツやピーナッツバターの摂取量が多い女性は2型糖尿病のリスクが低くなるという潜在的効果を示唆する結果が得られた。摂取熱量の増加を防ぐため、精製穀類製品や赤身肉または食肉加工品を摂取する代わりに定期的なナッツ類の摂取が推奨される」。

発表:2002年7月、イワモトら、European Journal of Clinical Nutrition, 56,629-637
研究機関:九州大学
試験タイトル:「くるみ摂取中の日本人男女における血清脂質プロフィール」
被験者:健常女性20名、健常男性20名
試験の説明:4週間一重盲検クロスオーバー対照試験。参加者を混合自然食2群のいずれかに無作為割付。4週経過後に各群の食事を入れ替えた。
結果:「悪玉」LDLコレステロールが男性で8.9パーセント、女性で10.6パーセント低下した。総コレステロールは男性で3.8パーセント、女性で4.9パーセント低下した。「善玉」HDLコレステロールに有意な変化は認められなかった。

発表:2002年6月、アルバートら、Archives of Internal Medicine, Volume 162
研究機関:ブリガム・アンド・ウィメンズ病院、ハーバード大学公衆衛生学部
試験タイトル:「医師健康調査におけるナッツ摂取と突発性心臓死リスク抑制」
被験者:米国医師健康調査に登録された男性参加者21,454名
試験の説明:ナッツ摂取の頻度上昇(12ヶ月の追跡調査で簡略化食品摂取頻度調査票で確認)が突発性心臓死や他の冠動脈性心疾患エンドポイントのリスク抑制と関連するかプロスペクティブに評価した。
結果:ナッツをめったに摂取しない男性やまったく摂取しない男性と比較して、1週間に2回以上摂取する男性は、突発性心臓死リスクが47パーセント、冠動脈性心疾患による死亡全体のリスクが30パーセント低かった。

発表:2002年5月、フェルドマン、Journal of Nutrition, 132 (5S)
研究機関:ライフサイエンス研究所、米国栄養学会
試験タイトル:「くるみと冠動脈性心疾患の健康上の有益な関係に関する科学的エビデンス」
被験者:冠動脈性心疾患のリスクにある米国の成人人口を代表すると思われる被験者200名
試験の説明:ピアレビューの行われたヒト臨床くるみ介入対照試験5件の科学的レビュー
結果:主要な試験結果から、(1)くるみ摂取により体重の正味増加は生じない、(2)くるみにより血清コレステロールと心疾患の相対リスクが30〜50パーセント低下する、(3)くるみは多価不飽和脂肪(オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸)を含有している点でユニークなナッツであることが示唆される。

発表:2002年3月、ハルボルセンら、Journal of Nutrition, 132 (3)
研究機関:オスロ大学(ノルウェー)、アーケルスフース大学カレッジ(ノルウェー)、ノルウェー農業大学、ミネソタ大学
試験タイトル:「食用植物に含まれる総抗酸化物質の系統的スクリーニング」
試験の説明:各種果実、漿果、野菜、穀類、ナッツ類、豆類などの世界各地で利用されているさまざまな食用植物に含まれる総抗酸化物質の系統的評価。可能な場合には、同種の食用植物について地理的に異なる3地域で採集した3個以上のサンプルを分析した。
結果:本研究の系統的分析により、食用植物に含まれる各種抗酸化物質の複合効果が栄養面で果たす役割の研究が促進されるだろう。
(研究者らによると、本研究で分析した食用植物のうち、くるみの抗酸化物質含有量はローズヒップに次いで2位である。)

発表:2001年12月、ムニョザら、Journal of Lipid Research, 42,2069-2076
研究機関:バルセロナ・ホスピタルクリニック/ローマリンダ大学
試験タイトル:「ヒトHepG2細胞を有する高コレステロール血症男性においてくるみの豊富な食事はLDLの低下を増強する」
被験者:多遺伝子性高コレステロール血症男性10名
試験の説明:無作為化クロスオーバー摂食試験。地中海式コレステロール抑制食をコントロールとし、この食事と同様の構成で不飽和脂肪由来熱量の35パーセントをくるみで代替した食事をそれぞれ6週間ずつ摂食させた。
結果:くるみ食では血清中の総コレステロールが4.2パーセント、LDLコレステロールが6.0パーセント低下した。研究者らによれば、くるみ食のほうがコレステロールを低下させる地中海食より成績がよく、摂取熱量が多くても体重増加がみられなかった。

発表:2001年10月、マクナマスら、International Journal of Obesity, 25,1503-1511
研究機関:ブリガム・アンド・ウィメンズ病院
試験タイトル:「過体重成人における体重減量のための中等度脂肪・低熱量食と低脂肪・低熱量食を比較する無作為化対照試験」
被験者:過体重の男女101名
試験の説明:自由生活集団における18ヶ月無作為化プロスペクティブ試験
(1)中等度脂肪食(熱量の35パーセントが脂肪由来)、(2)低脂肪食(熱量の20パーセントが脂肪由来)
結果:地中海式の中等度脂肪減量食(ピーナッツやくるみなどのナッツ類を含む)を摂取した被験者のほうが、従来推奨されていた低脂肪食を摂取した被験者と比べて体重減量効果が高く、減量効果の持続期間が長かった。
(研究者らは、くるみが満腹感を助けることも減量成功の一因であると示唆している。)

発表:2001年8月、アンダーソンら、Journal of Nutrition, American Society for Nutritional Sciences, 0022-3166
研究機関:カリフォルニア大学デービス校
試験タイトル:「くるみのポリフェノールはin vitroでヒト血漿とLDLの酸化を阻害する」
試験の説明:ポリフェノールの豊富なくるみ抽出物をin vitroで調べ、in vitroにおける血漿とLDLの酸化に対する阻害能をエラグ酸と比較した。酸化ストレス中のLDLに対する作用も比較した。
結果:くるみのポリフェノールはin vitroの血漿とLDLの酸化に対して有効な阻害物質である。

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発表:2001年7月、アルマリオら、American Journal of Clinical Nutrition, 74:72-9
研究機関:カリフォルニア大学デービス校
試験タイトル:「複合高脂血症における血漿中の脂肪酸とリポタンパクに対するくるみ摂取の効果」
被験者:男性7名、閉経後女性16名
試験の説明:参加者は自由生活条件下で次に示す順番に従って4種の食事を摂取した。
(1)通常の食事、(2)通常の食事+くるみ、(3)低脂肪食、(4)低脂肪食+くるみ
結果:地心臓血管系疾患を促進すると考えられている小粒子LDLの割合は、くるみを取り入れない場合と比べて、通常の食事+くるみで27パーセント、低脂肪食+くるみで7パーセント低下した。

発表:2000年4月、ザボンら、Annals of Internal Medicine, 132(7):538-46
研究機関:バルセロナ・ホスピタルクリニック/ローマリンダ大学
試験タイトル:「高コレステロール血症の男女において一価不飽和脂肪をくるみで代替すると血清脂質プロフィールが改善する」
被験者:コレステロール値が高い男女49名
試験の説明:バルセロナ・ホスピタルクリニック脂質科にて実施
12週間無作為化クロスオーバー摂食試験
自由生活試験…参加者は自宅で食事を準備
コレステロールを低下させる地中海食
地中海食に含まれる一価不飽和脂肪の一部をくるみで代替した食事
結果:LDLコレステロールが5.9パーセント、総コレステロールが4.1パーセント低下し、コレステロールを低下させる地中海食より成績がよかった。
(研究者らは、くるみ食を摂取する被験者は熱量が増加するにもかかわらず体重増加が生じないことも指摘した。)

発表:1999年4月、ラベルリーヌら、Preventive Medicine, 28:333-9
研究機関:グルノーブル大学
試験タイトル:「血中コレステロールとくるみ摂取:フランスにおける横断調査」
被験者:年齢18〜65歳の男女793名
試験の説明:横断調査
結果:血中HDLコレステロールとアポA1に対するくるみ摂取の有益な効果は特に注目される。なぜなら、これらの脂質パラメータは心臓血管系疾患の罹患率と逆相関することが判明しているためである。

発表:1998年11月、フーら、British Medical Journal, 317:1341-5
研究機関:ハーバード大学公衆衛生学部
試験タイトル:「女性における頻繁なナッツ摂取と冠動脈性心疾患リスク:プロスペクティブコホート試験」(看護師健康調査)
被験者:女性看護師86,000名
試験の説明:疫学調査
結果:くるみなどのナッツ類1オンス(約1/4カップ)を1週間に5回以上摂取する参加者は、心疾患リスクが35パーセント低かった。ナッツ類の中でくるみに最も多く含まれるアルファリノレン酸が決定因子であることが示唆されました。

発表:1998年1月、チザムら、European Journal of Clinical Nutrition, 52(1):12-6
研究機関:オタゴ大学(ニュージーランド、ダニディン)
試験タイトル:「中等度高脂血症被験者において、くるみの豊富な食事は血漿脂肪酸プロフィールに良好な影響を与える」
被験者:男性21名
試験の説明:無作為化クロスオーバー試験
結果:くるみ食では総脂肪摂取量に意図せぬ増加が生じたにもかかわらず、主要脂質分画の脂肪酸プロフィールの示した変化は心臓血管系疾患リスクの抑制が期待されるものだった。

発表:1995年5月、サイモンら、Stroke, 26: 778-782
研究機関:カリフォルニア大学サンフランシスコ校
試験タイトル:「血清脂肪酸と脳卒中リスク」
被験者:脳卒中の既往のある中年男性96名と既往のない中年男性96名
試験の説明:疫学的比較
結果:アルファリノレン酸(オメガ3脂肪酸の一種)が13パーセント増加するごとに、脳卒中リスクは37パーセント低下した。くるみはアルファリノレン酸のきわめて豊富な植物性食品である。

発表:1994年6月、ド・ロルジュリルら、Lancet, 343(8911):1454-9
研究機関:国立衛生医学究所(INSERM)
試験タイトル:「心疾患の二次予防における高アルファリノレン酸地中海食」(リヨン心臓試験)
被験者:患者605名
試験の説明:プロスペクティブ無作為化一重盲検二次予防試験
結果:血中必須脂肪酸は血栓形成と炎症を抑制し、突発性心臓発作と動脈閉塞のリスクを低下させることを示す結果が得られた。修飾クレタ地中海食にアルファリノレン酸2グラムを加えると、全死亡件数が70パーセント減少した。

発表:1993年3月、サバテら、New England Journal of Medicine, 328:603-7
研究機関:ローマリンダ大学
試験タイトル:「正常男性の血清脂質値と血圧に対するくるみの効果」
被験者:コレステロール正常男性18名
試験の説明:8週間無作為化クロスオーバー摂食試験
米国心臓協会が推奨する全米コレステロール教育プログラムのステップワン食と、この食事に含まれる飽和脂肪の一部をくるみで代替した食事。
結果:くるみ食では、LDLコレステロール が16パーセント、総コレステロールが12パーセント低下し、コントロールのステップワン食より成績が良好だった。

発表:1992年7月、フレーザーら、Archives of Internal Medicine, 152: 1416-24
研究機関:ローマリンダ大学
試験タイトル:「ナッツ摂取が冠動脈性心疾患リスクにもたらしうる保護作用」
被験者:セブンスデーアドベンティスト派信者31,208名
試験の説明:1974年に開始したコホート調査。食事に関する詳細な調査を含む。
結果:ナッツ摂取は致死的および非致死的な冠動脈性心疾患のリスクを抑制する。

科学諮問委員会
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